【1月26日 AFP】英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)の小型ボートによる1916年の南極海(Southern Ocean)航海を再現しようと、英国とオーストラリアの遠征隊が24日、氷河と悪天候が待ち受ける荒海に向け出発した。

 著名探検家ティム・ジャービス(Tim Jarvis)氏率いる6人の遠征隊は、小型の救命ボートに乗って、南極半島沖のエレファント島(Elephant Island)からサウスジョージア島(South Georgia)までおよそ800海里(約1480キロメートル)を航海する予定。ボートに積み込まれたのは、シャクルトンの探検隊が持ち合わせていた機材や航法計器と食料のみだ。

 シャクルトンは世界で最も偉大な南極探検家の1人。1914年の3回目となる南極圏遠征では南極点を経由した南極大陸横断を目指したが、翌15年に船が氷塊によって身動きが取れなくなり、10か月後には氷に押しつぶされて沈没。探検隊は流氷の上で16年4月まで生き延びた後、3隻のボートでエレファント島へ向かった。そこからさらに危険な航海を続け、16日後にはサウスジョージア島に上陸。クレバスの多い内陸を2日間かけて標高900メートルまで登った。最終的に探検隊は、死者を出すことなく全員が救出された。(c)AFP