【1月23日 AFP】米国の企業が22日、小惑星での資源採掘を実現するために、太陽系内に宇宙船を打ち上げると発表した。

 発表を行ったのは米国のディープスペースインダストリーズ(Deep Space Industries)。同社のデービッド・ガンプ(David Gump)最高経営責任者(CEO)は、「恒久的な宇宙開発をまかなう唯一の方法は、宇宙で採掘された資源を使うことだ」と語り、地球のそばを毎年900以上の新たな小惑星が通過していることを付け加えた。

「今回の場合は、小惑星で採掘した金属と燃料を用いて、今世紀の宇宙空間における産業を拡大することができる。それがわれわれの戦略だ」

 第1段階は、「小惑星探鉱宇宙船」を太陽系内に送ることだ。1機目の「ファイヤーフライズ(FireFlies、ホタル)」(重さ25キロ)は2015年の打ち上げを予定しており、2~6か月間、探査を行う。

 続いて2016年に「ドラゴンフライズ(DragonFlies、トンボ)」(重さ約32キロ)を打ち上げる。2~4年間のミッションを行い、試掘サンプルを持ち帰る予定だ。

 計画が順調に進めば、10年後には金属や建設用資源を宇宙の岩石から採掘し、通信衛星の代わりとなる大型プラットホームを宇宙に建造する。その次には太陽光発電所を宇宙に建設し、地球に向けてエネルギーを送る計画だ。

「次の世代の人々に、この世界を変える機会を与えるだけでなく、世界の将来を変える機会を与えたい。それにわれわれは真っ向から取り組んでいる。面白そうでしょう?」と、ディープスペースのリック・タムリンソン(Rick Tumlinson)会長は語った。

 宇宙での資源採掘事業に乗り出すのはディープスペースインダストリーズ社が民間企業では2社目。すでに、米グーグル(Google)の幹部や映画監督のジェームズ・キャメロン(James Cameron)氏の支援を受けたプラネタリー・リソーシズ(Planetary Resources)社が2012年4月に事業を開始している。(c)AFP