【1月15日 AFP】ロシア宇宙庁(Roscosmos、ロスコスモス)は前週末、2020年までに、老朽化するソユーズ(Soyuz)ロケットおよび宇宙船の後継機を開発する計画を発表した。

 計画の総額は2兆1000億ルーブル(約6兆2000億円)で、月とそのさらに遠くへの無人宇宙ミッション立ち上げを目標としているが、計画の最優先項目は、1960年代に旧ソ連の科学者によって開発され、ロシアの宇宙探査の屋台骨となってきたソユーズの後継機開発に置かれている。

 ソユーズロケットおよびソユーズ宇宙船は、1998年の国際宇宙ステーション(International Space StationISS)の打ち上げ以降、ISSへの人員往復の要の役割を果たしてきた。だが、2011年8月、無人宇宙貨物船輸送の際に事故が発生し、後続ミッションに遅れが生じていた。昨年以降は、米国のスペースシャトルが引退したことで、ISSへ宇宙飛行士を送る唯一の手段となっている。

 ロスコスモスは、ウェブサイトに発表した計画で「2018年までに試験が可能な、推進力を持ったエネルギー輸送モジュール」を導入することを表明。さらに、「月の詳細な研究のための計画を開始」することを目指し、月の土壌サンプルを研究するための無人ミッションを複数立ち上げると述べた。また、計画は「完全に新しい惑星間移動技術及び惑星における人間活動を可能にする技術の導入」を目指すと述べている。

 ロスコスモスは近年、人工衛星を周回軌道に乗せることに失敗し、高い注目を集めた火星ミッションが地球に墜落するなど、複数の失敗に見舞われている。ロスコスモスが米航空宇宙局(NASA)に大幅に遅れをとり始めている原因について、専門家はロスコスモスからの人材流出と、下請け会社の効率の悪さを挙げている。(c)AFP