【1月4日 AFP】食べ物や飲み物を提供する際の食器などの色は味覚に大きく影響する──科学誌「Journal of Sensory Studies」に発表された調査結果がその可能性を改めて示した。

 バレンシア工科大学(Polytechnic University of Valencia)と英オックスフォード大学(University of Oxford)の研究者は先ごろ、調査のために集まった57人のボランティアに、数色のプラスチックカップに入れたホットチョコレートを飲んでもらい、それぞれの味について感想を述べてもらった。カップの色は、外側が白、クリーム色、赤、オレンジの4色で、内側はいずれも白だった。

 その結果、カップに注いだホットチョコレートはすべて同じものだったにもかかわらず、調査に参加した人たちの多くが、オレンジとクリーム色のカップに入っているものの方がおいしかったと答えた。

 バレンシア工科大学のベティナ・ピキュラス・フィッツマン(Betina Piqueras-Fiszman)氏は、「食べ物や飲み物を提供する際の食器などの色は、味や香りなど一部の特性を際立たせることができる」と述べ、調査結果が料理人や食品メーカーにとって有益なものになり得ると付け加えた。

 過去の調査では、ソフトドリンクを黄色のカップに入れた場合、飲料に含まれているレモンの香りが強まったように感じられることや、青色などの寒色のカップに飲み物を入れた方が赤色などの暖色のものに入れた時より、のどの渇きを癒してくれる感覚がより強まることが分かっている。またピンクのカップに入れた飲み物に対しては、より甘さが増したように感じられるという。(c)AFP