【10月9日 AFP】日立製作所(Hitachi)は前週、世界で初めて爆発物探査装置を搭載した搭乗券読み取りゲートの試作機を発表した。

 日本信号(Nippon Signal)、山梨大学(University of Yamanashi)と共同で試作した。

 このゲートは、搭乗券をスキャンする際に手に風をかけてチリを吸い込み、爆薬の微粒子を即刻、検知する。1~2秒しかかからないので、ゲートでの人の流れを遮ることもなく搭乗者全員を検査できる。金属探知機や身体検査、X線スキャナーなど既存のセキュリティ検査と合わせて空の安全を図る。

 同社によると、爆発物の粒子は非常に付着力が強く、触ったり衣服などに付いた場合はかなりの時間、粒子が残るという。

 搭乗ゲートは、非金属製の爆弾を身に着けた人物の発見に最も効果がある。2009年には下着にプラスチック爆弾を隠してオランダ・アムステルダム(Amsterdam)発米デトロイト(Detroit)行きの便に乗り込もうとした男が取り押さえられた。以降、搭乗客1人1人に対する検査はさらに厳しくなっている。

 日立では空港だけでなく駅や、コンサートやスポーツ会場の入り口などにも使用できるとしている。(c)AFP