【9月30日 AFP】ワインの名産地、仏ブルゴーニュ(Burgundy)地方の発明家ら2人が、ブドウ農園で働く四輪駆動ロボットを開発した。1日に600本のブドウの木の剪定作業を行えるという。

「Wall-Ye V.I.N.」と名づけられたブドウ農園用ロボットは、体高50センチ、幅60センチ、重さ20キロ。赤いラインが入ったボディーは小型ながら、トラッキング技術と人工知能、姿勢制御装置(ジャイロスコープ)、衛星利用測位システム(GPS)を駆使してブドウ園の中を自力で移動。剪定や芽先を摘み取る摘芯といった作業をこなす他、6台のカメラを用いて土壌や果実、木の健康状態や活力に関する貴重なデータも収集する。

 また盗難防止用のセキュリティー機能や、転倒した際にハードディスクを自己破壊し所有者に「ヘルプ」メッセージを発信する機能も搭載している。

 開発したのは、発明家のクリストフ・ミヨー(Christophe Millot)氏と技師のギー・ジュリアン(Guy Julien)氏。あるワイン農家が「人手が足りない」と嘆くのを聞いて、アイデアが沸いた。最も開発が難しかったのは、カメラに「今何を映しているのか」「その映像をどう解釈するべきか」を「理解」させることだったという。

 販売予定価格は1台あたり2万5000ユーロ(約250万円)。車が1台買えてしまう値段だが、試作機はワイン農家の間で既に高い注目を集めている。まもなく実施される販促のための実演の会場には、ムートン・ロートシルト(Chateau Mouton Rothschild)などブルゴーニュの名シャトーたちが名乗りを上げているそうだ。(c)AFP