【9月3日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は8月30日、火星探査車キュリオシティー(Curiosity)による「ビーチー(Beechey)」と呼ばれる土壌の分析の様子を捉えた画像を公開した。

 写真は、左の画像が調査による穴が開く前の土壌で、右の画像が調査後の土壌。写真の撮影範囲は直径7.9センチメートルほどで、キュリオシティーの測定機「ChemCam(ケムカム)」に搭載されたリモートマイクロイメージャー(Remote Micro-Imager)が3.5メートル離れたところから撮影した。

 調査は、キュリオシティーミッションの19火星日目(地球では8月25日)に実施したもので、近距離にある岩石や土壌の元素組成を検査するため、土壌の各点にそれぞれ50回のレーザー照射を行った。穴は左から右へ順に開けられ、1回のレーザー照射は約10億分の5秒で100万ワット以上の電力を掛けたという。

 調査は、レーザーのエネルギーで発光する土壌の元素のスペクトラムを記録して土壌の元素組成を解析するという方法で、穴は1つ当たり幅2ミリから4ミリほどだ。レーザーの幅は0.43ミリメートルだが、その威力により周囲のちりや土壌が飛ばされる。

 調査の初期分析の結果、それぞれの穴の第1回目の照射ではほぼ同じ組成が確認されたが、その後の照射では照射する場所や深さによって組成が変化していることが分かった。(c)AFP