【8月23日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は20日、火星内部の地震活動などを詳しく調べる新たなミッションを2016 年に行う計画を発表した。

 電話会議で発表を行ったNASAのリンドリー・ジョンソン(Lindley Johnson)氏は記者らに対し、このプロジェクトで調べたい重要な問題の一例として「火星には地球と同じような断層があるのか。どれほどの規模の断層があるのか。どのような『火星地震』が起こりうるのか」が挙げられると話した。

InSight(インサイト)」と呼ばれるこのミッションでは、2016年3月に探査機器を打ち上げ、火星内部の熱の流れを調査するために地震活動や地熱を観測する予定だという。

「InSight」はNASAの低予算プログラム「ディスカバリー(Discovery)」の候補に挙がっていた3プロジェクトから選ばれた。残る2つは彗星(すいせい)探査と土星の衛星タイタン(Titan)の探査を目的としたもので、NASAのジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)氏は2つとも「InSight」と匹敵する重要性や、確実に結果を出せるという意味での現実味を持っていたと語った。

「InSight」が選ばれたのは、スケジュールがずれ込む可能性や、4億2500万ドル(約334億円)という予算の上限を超える可能性がより低かったのが理由だという。予算の上限には打ち上げ機の費用は含まれていない。

 一方で、先日火星からのカラー画像を初めて地球に送ることに成功した火星探査車キュリオシティー(Curiosity)について、NASAは19日に「Coronation(戴冠式)」と名付けられた石へのレーザー照射実験に成功したと発表し、翌20日には前年11月の打ち上げ前に実施して以来となるロボットアームの稼働を行ったと発表した。(c)AFP