【5月11日 AFP】オーストラリア固有の有袋類ウォンバットの祖先は約1500万年前、木の上で暮らしていた――。

 豪ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)のカレン・ブラック(Karen Black)氏が10日発表したところによると、このヒツジほどの大きさの新種の有袋類「ニンバドン(Nimbadon)」は推定体重70キロで、樹上で生活する有袋類としては世界最大だという。

「ニンバドン」の化石は、クイーンズランド(Queensland)州にある世界遺産リバーズリー(Riversleigh)地域の洞窟内で、保存状態の良い頭蓋骨と骨格が複数見つかった。ディプロトドンの仲間で、現生種ではウォンバットに最も近いという。

 2010年に発見された洞窟は1500万年前のもので、草木に覆われた入り口から誤って転落した動物たちのものとみられる化石が幾つも見つかっている。この洞窟には、木々が覆い繁る温暖な気候から徐々に乾燥が進んでいったオーストラリアにおける動植物の進化史を解き明かす上で、重要な科学的価値があると見られている。(c)AFP

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