【2月24日 AFP】恒星質量ブラックホール「IGR J17091」を取り巻くガスの円盤から超高速の風が吹き出している様子を描いた想像図。米航空宇宙局(NASA)が22日公開した。連星系を構成している右側の太陽に似た恒星からガスを引き寄せている。

 チャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)の観測により、この風は時速約3200万キロとこの種のブラックホールから出るものとしてはこれまで観測された中で最も速く、質量がずっと大きいブラックホールから出る風と比べても最速クラスであることが分かった。

 風はブラックホールが引き寄せるよりも多くの物質を運び去っているという想定外の可能性も出てきた。風のスピードは時間と共に変動している可能性もある。

 このような観測結果は、一般的に太陽の5~10倍の質量を持つこの種のブラックホールの振る舞いを理解する上で重要だ。(c)AFP