【1月12日 AFP】天の川銀河には、これまで考えられていたよりはるかに多くの太陽系外惑星があるとする論文が、11日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。この中に生命が存在する惑星が、少なくとも1つはある可能性が高まっているという。

 過去20年間、系外惑星の探索には主に2つの手法が用いられてきた。1つは、惑星が主星に及ぼす重力の効果を測定する方法、もう1つは、惑星が主星の前を通過する時の光のかげりを検出する方法だ。だが両方とも、大質量および(または)主星に近い惑星の発見に適した方法であるため、広範囲の「死角」が生まれていた。

 パリ天体物理学研究所(Paris Institute of Astrophysics)のダニエル・クバス(Daniel Kubas)教授らが率いる国際研究チームは、重力マイクロレンズ効果と呼ばれる手法を用いた。これは、主星と惑星の複合重力場がレンズのように振る舞い、背景の恒星の光を増幅させるかを見るもので、背景の星がわずかに明るさを増せば、レンズの役割を果たしているその主星には惑星があるということになる。

 この手法では、地球ほどの小ぶりな惑星も、主星から遠く離れた惑星も、検出可能だ。

 チームは6年間、オーストラリア、南アフリカ、チリなどの地上望遠鏡を使って、数百万個の星を調査。太陽・金星~太陽・土星間に当たる、主星から7500万~15億キロの範囲で、地球の5倍以上の大きさを持つ惑星を探索した。

 この間に系外惑星を新たに3個発見しただけでなく、計算の結果、天の川銀河では恒星1個につき平均1.6個の惑星があるという事実も明らかになった。これが他の銀河系にも当てはまるかは不明という。

 なお、観測した恒星の6分の1は木星程度の質量の惑星を持ち、2分の1は海王星程度の質量の惑星を持ち、3分の2は地球質量の10倍以下のいわゆる「スーパーアース」を持っているという計算になった。

「天の川銀河には、地球と同程度の大きさの惑星が数十億個はありそうだ」とクバス氏は話す。

■主星が2個ある惑星もどっさり?

 なお、同じ号には、2個の主星の周りを周る「周連星惑星」も、これまで考えられていたよりはるかに多いとする論文が掲載された。米サンディエゴ州立大(San Diego State University)のウィリアム・ウェルシュ(William Welsh)氏らによると、こうした惑星は数百万個ほど存在している可能性があるという。(c)AFP/Marlowe Hood