【9月20日 AFP】欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)は13日、新たに50個以上の太陽系外惑星を発表した。初めて系外惑星が発見された1995年以降、一度に発表された系外惑星の数としては最も多い。米ワイオミング(Wyoming)州モラン(Moran)で開かれた専門家の会議「Extreme Solar Systems」で、系外惑星の専門家350人を前に発表された。

 チリ北部アタカマ砂漠(Atacama Desert)の非常に乾燥した環境下にあるラ・シーヤ天文台(La Silla Observatory)の3.6メートル望遠鏡に設置されたスペクトルグラフを用いて発見された。

 発見された惑星のうち16個は、これまでに発見された系外惑星の中で特に小さいサイズの惑星を意味する「スーパーアース」だった。スーパーアースは地球の1~10倍の質量を持ち、岩石でできた惑星とは限らず、生命が存在できる環境かどうかも問わない。

 だが、この16個のスーパーアースのうち、地球の質量のわずか3.6倍と推定される「HD 85512 b」は、水が、水蒸気や氷ではなく液体の形で存在できる、いわゆる「ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone)」といわれる範囲の外縁付近で恒星の周りを公転している。

 ESOは、HD 85512 bに生命が存在可能かどうかはまだわかっていないが、地球以外に居住可能な惑星が存在するかを判断する上での技術的な進展として考えるべきだとしている。

 1995年以降、600近くの太陽系外惑星が発見されているが、地球ほど恒星から離れた惑星は見つかっていない。多くは巨大なガス惑星で、恒星の近くを公転しているために大気は非常に高温だ。

「今後10年から20年で、太陽系の近くにある、生命が生息可能な惑星のリストを手にすることができるだろう」と、最初の系外惑星を発見し、ESOのチームを率いたジュネーブ大(University of Geneva)のミシェル・マイヨール(Michel Mayor)氏は語った。「将来的にそれらの惑星の大気に生命の分光的な兆候がないか調べられるようにするには、そういったリストの作成が不可欠だ」(c)AFP