【9月13日 AFP】米国には、将来の有人飛行のニーズの変化にあわせるための十分な人数の宇宙飛行士がいないとの報告書が7日、発表された。

 報告書を発表したのは科学政策への提言を行う米国学術研究会議(National Research CouncilNRC)。宇宙飛行士の減少が米国の有人宇宙飛行への投資にリスクを及ぼしていると述べ、米航空宇宙局(NASA)は宇宙飛行士の人数を増やすための措置を取る必要があると提言した。

 NRCの共同議長で、過去3回のスペースシャトルミッションで指揮官を務めた元NASA副長官のフレデリック・グレゴリー(Frederick Gregory)氏は「特定の役割やミッションのために訓練された宇宙飛行士はすぐに置き換えることができない」と述べた。

■ピーク時は150人、現在は61人

 国際宇宙ステーション(International Space StationISS)建設中だった1999年のピーク時には、NASAには150人の宇宙飛行士がいた。だが、30年に及ぶスペースシャトル計画が終了した2011年には61人にまで減少した。

 NASAは、民間企業が宇宙飛行士を地球低軌道に上げる新たな宇宙船の試験を始めたいとしている2016年までの期間に米国が最低限維持すべき現役宇宙飛行士の人数を55~60人としている。

 一方、米国は2025年以降をめざして、火星や小惑星に宇宙飛行士を運ぶ深宇宙ミッション計画を進めている。これらのミッションでは宇宙飛行士にさらに多くの訓練が必要となるほか、宇宙での滞在日数や放射線の被ばく量が増える。宇宙飛行士の健康面の問題で早期引退や将来のミッションで再び宇宙に行くことができなくなるといった可能性も高まる。

 報告書は、「各ミッションへの宇宙飛行士の割り当てに制約が生じる恐れや、将来の要件が不確かであることなどを考えると、宇宙飛行士の人数は最低限必要な水準を下回っているように思える」と指摘し、「最低限維持すべき人数として現在設定されている現役宇宙飛行士の数は、米国の有人宇宙飛行能力への投資にリスクを及ぼしている」と結論づけた。

■ISSは6人滞在が基本だが・・・

 2020年まで運用される予定のISSは、通常、ロシア人3人、米国人2人、日本人1人が6か月滞在するローテーションで宇宙飛行士が割り当てられている。しかし前月、ISSに物資を運ぶ予定だった無人のロシア・ソユーズ(Soyuz)宇宙船が打ち上げに失敗したことを受け、NASA含む世界の宇宙機関はISSを一定期間で無人にする可能性を検討し始めている。(c)AFP/Kerry Sheridan