【9月8日 AFP】歩行中に足裏が地面に着いてから離れるまでの特徴から、指紋とほぼ同様の精度で個人を識別できるとした信州大学(Shinshu University)の研究論文が7日、英学術誌「Journal of the Royal Society Interface」に発表された。

 将来的には、網膜スキャンや音声認識、古典的な顔写真などの個人認証方式に、足圧パターンが加わる可能性があるという。

 研究を率いたのは、信州大学(Shinshu University)のトッド・パタキー(Todd Pataky)助教授だ。

 これまでの研究で、人間の歩き方は個人ごとに異なることが証明されているが、研究チームはボランティア被験者104人に裸足で歩いてもらい、その歩行パターン(通常歩行、ぶらぶら歩き、大また歩きなど)をコンピューターを用いて3D画像処理。地面にかかとがつき、かかとから前に体重が移動し、つま先が地面を離れるまでの動きを、画像抽出と呼ばれる技術で分析した。その結果、99.6%の精度で、足圧パターンと個人が一致したという。

 パタキー氏は、AFPとの電子メールの中で、この技術の応用法として空港でのセキュリティ検査などを挙げる一方で、歩き方は誰でも調節して変えることができるため、この技術は(他人を装う人物を見抜く場合ではなく)本人であることを確認してほしい場合にのみ有効だと説明した。(c)AFP