【8月12日 AFP】(写真追加)米カンザス(Kansas)州で1987年に発掘された7800万年前の首長竜プレシオサウルスの化石の腹部から胎児の化石が見つかり、卵ではなく赤ちゃんを産んでいたことが分かったと、米考古学者チームが11日の科学誌「サイエンス(Science)」に発表した。

 プレシオサウルスは先史時代に海に生息していた首長竜と呼ばれる爬虫(はちゅう)類で、ヘビとウミガメの中間のような姿をしていたと考えられている。これまで、陸に上がる能力はなく、産卵によって繁殖していたと考えられてきた。

 しかし、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス郡自然史博物館(Natural History Museum of Los Angeles County)と米マーシャル大学(Marshall University)などの研究チームは今回、全長4.7メートルでほぼ完ぺきな形で残っていたプレシオサウルスの化石の中に、小さなあばら骨や脊椎、臀部、ひれなどの骨を持つ胎児化石を発見した。

 プレシオサウルスと同じ中生代(約2億5000万年~6500万年前)に生息していた水生爬虫(はちゅう)類の中には胎生が確認されている種もあるが、プレシオサウルスが赤ちゃんを産んでいた証拠が確認されたのは初めて。

 論文の共著者のロビン・オキーフ(Robin O'Keefe)米マーシャル大教授は「現代の動物では、1回の出産で大型の子どもを1匹だけを産む種の多くが社会性を持ち、子育てもしている」と指摘。プレシオサウルスも、現代のイルカや爬虫類に近い出産や子育てをしていた可能性があると推測している。

 この親子のプレシオサウルスの化石は、ロサンゼルス郡自然史博物館に展示されている。(c)AFP