【5月26日 AFP】太陽系で地球の隣に位置し、地球同様に岩石惑星である火星のサイズが、なぜ地球の半分ほどしかないのか。その謎を解明したとする論文が、25日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 米シカゴ大(University of Chicago)のNicolas Dauphas氏らは、地上で発見された、誕生から間もない火星を起源とする化学的特徴を備えた隕石(いんせき)群について、放射性同位体ハフニウム182がタングステン182に崩壊するまでの時間を計算し、これを基に火星が形成された年代を推定した。

火星は太陽系の誕生後200万~400万年の間に急速に成長したが、その後ぱったりと成長が止まった。一方の地球は、5000万~1億年かけて現在の大きさまで成長した。

「地球は、惑星胚(はい)が隕石との衝突を繰り返し、凝集しながら形成されていった。しかし、火星は隕石との衝突がなく、惑星胚のまま取り残されたものだ」と、Dauphas氏は話している。  

 火星はこれまで、1500万年かけて形成されたと推定されてきた。(c)AFP