【5月19日 AFP】主星を公転せず、宇宙に浮遊しているとみられる系外惑星を10個発見したとする論文が、19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。いずれも木星ほどの大きさで、恒星との距離が遠いことなどから、研究者らはこれらの天体が「浮遊惑星」ではないかと考えている。

 これらの惑星は、国際共同研究チームが天の川銀河を対象に2年間行った観測で見つかった。

 研究チームは、ある星の前を別の星が横切る時に後ろの星の光が増幅される「重力マイクロレンズ効果」を用いて、恒星から10~500天文単位(AU)の範囲を観測した。AUは太陽と地球の間の距離(約1億5000万キロ)を示し、太陽~木星間は5AU、最も外側の海王星との間は30AUだ。

 系外惑星は1995年に初めて発見されて以来これまでに500個以上が見つかっているが、最も近い恒星からこれほど離れ、主星に束縛されずに浮遊していると見られる惑星が見つかったのは今回が初めて。
 
 論文は、これらの惑星は形成の初期段階から重力のしばりから解放されていたのではないかと推測。「原始的なディスク状に形成されたあと、主星に束縛されない軌道、つまり極めて遠い軌道へ散らばっていったのではないか」と述べている。(c)AFP