【2月13日 AFP】オーストラリア・シドニー大学(University of Sydney)のアラン・スナイダー(Allan Snyder)教授らは、「頭が良くなる帽子」を作り、その効果を実験で確認した。

 これは電気を通す2つの部品をゴムのストラップで頭に固定するバンダナ状の装置で、弱い電流を流して知識の処理を受け持つとされる左脳の働きを抑え、創造性と関係があるとされる右脳を刺激する。

 約60人に算数のパズル問題に挑戦してもらったところ、正解した人の数は、この装置を使った人の方が使わなかった人よりも3倍多かったという。

 スナイダー教授らは、事故で左側頭葉を損傷した後に芸術などの分野で急激に創造性が高まった人がいたことからこの装置の着想を得た。この装置は、過去の経験に頼るのではなく、斬新な発想で新たに出現した問題や状況に対応する助けになるという。

 スナイダー教授によると、この装置は10年ほど前から科学者の間で使われていたが、脳に電流を流すことでどのように洞察力が高まるかを調べた研究は初めてだという。研究は緒に就いたばかりだが、芸術や問題解決の分野で応用できる可能性もあるという。(c)AFP