【2月14日 AFP】エチオピアで320万年前のアファール猿人(Australopithecus afarensis)の左足の「第4中足骨」の化石が新たに発見され、現生人類と同様、アーチ型の「土踏まず」があったことが明らかになり、研究チームは直立二足歩行をしていた証拠だと述べている。

「ルーシー(Lucy)」と名付けられた女性の化石が知られるアファール猿人は、群れでアフリカ東部を放浪していたと考えられている。10日の米科学誌サイエンス(Science)に論文を発表した米アリゾナ州立大(Arizona State University)などのチームは今回の発見について、アファール猿人が樹上生活から直立二足歩行をする生活に移行していたことを裏付ける初めての証拠だと述べている。

 類人猿の足は木の枝をつかみやすいよう、もっと平らでつま先が大きいが、今回発見されたアファール猿人の中足骨にはそうした特徴は見いだせず、現生人類に非常に近い足の構造だったことが示された。

 土踏まずは、足を踏み出す時に地面に対してばねのように働くと同時に、足が着地する際に衝撃を吸収する役割も果たす。研究チームは「現生人類に至る進化のかなり初期に土踏まずができたということは、われわれの足の独特の構造が、人類の移動に不可欠だということを表している」と説明している。
 
 アファール猿人よりも前の約440万年前に生息していたラミダス猿人(Ardipithecus ramidus)は、これまでにまとまった骨格が発見されている中では最も古い現生人類の祖先だが、この猿人の足はもっと類人猿に近く、時々しか直立しなかったことを示していると言う。(c)AFP