【2月11日 AFP】バレンタインデーを前に、ロンドン(London)の自然史博物館(Natural History Museum)が、大胆な特別展を企画した。11日から始まる動物のセックスをテーマとした「Sexual Nature」展だ。同展では、カタツムリの「恋矢」、ペニスを切断して雌の体内に残すカイダコ(アオイガイ)、並外れて大きい睾丸を持つチンパンジーなど、自然界の生きものが子孫を残すための様々な生殖行動を取り上げる。

 同博物館の学芸員、テート・グリーンハル(Tate Greenhalgh)氏は、生き残りと繁殖をかけた動物や生物たち必死の「性行為」と「進化」の関係が同展のテーマだと説明。人間社会ならば禁断とされる性行為など衝撃的な内容の展示も含まれているが、寛容な心で鑑賞してほしいと語った。

 来場者が最初に目にするのは、人間に最も近い種の1つ、ボノボ(ピグミーチンパンジー)の交尾シーンを写したビデオ映像だ。なかには、背中に赤ちゃんを乗せたり、パイナップルを食べながら行為におよぶボノボも見られる。

 さらに、イタリア人女優イザベラ・ロッセリーニ(Isabella Rossellini)が動物の仮装で交尾の儀式をユーモラスに再現する「グリーン・ポルノ」と称した映像もある。

 異性の気を引くための求愛行動や交尾相手の選別行為、交尾をめぐる雄と雌間の争いなど、展示内容は17歳以上を想定したものだ。

 さらには、ウサギやキツネの交尾を再現した剥製や、巨大なセイウチのものから髪の毛ほどのコウモリのものまで、様々な動物の陰茎骨も展示されている。

 また、多くの雌たちを周囲にはべらせた霊長類の雄の例として、戦後のロンドン動物園(London Zoo)で人気者だったゴリラのガイが、剥製として展示されている。

 その一方で、もっとロマンに満ちた人間の男女間の愛情を展示したコーナーもある。異性への愛を表現した詩を貼り付けるボードだ。これも、異性の愛を勝ち取るための求愛行動の一種ともいえる。

 グリーンハル氏は、「同展を機会に、私たちが生き残っていくために不可欠な生殖行為を再度、見つめなおしてほしい」と話している。(c)AFP/Robin Millard