【12月21日 AFP】地球上の生命体は約30億年前、日光からエネルギーを効率的に獲得する方法を身につけたことがきっかけで爆発的に増加したとする論文が、19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 米マサチューセッツ工科大(MIT)の研究チームは、今日存在する遺伝子から代表的なものを1000個選び、「ゲノム化石」と呼ばれる数学モデルを作成。これらの遺伝子が太古からどのように進化してきたかを計算で探った。

 その結果、すべての生命体のゲノムは33億年~28億年前に起源を持ち、現存する遺伝子ファミリーの27%がこの間に出現したと推定された。

 研究チームは、生命体の爆発的増加は、おそらく、「現代的電子伝達」とでも呼ぶべき生化学過程によりもたらされたと指摘している。

 電子伝達とは、電子を細胞膜内で移動させることで、植物や一部の細菌が光合成により日光からエネルギーを獲得したり酸素を吸う上でなくてはならない生物学的機能だ。

 それからおよそ5億年後、大気中の酸素が増加する「大酸化事変」が起き、酸素以外の気体を吸う原始生命体や微生物が死滅。体が大きく頭も良い好気性生物が出現した。

 そして約5億8800万年前、「カンブリア爆発」が発生。これ以前の生命体はすべて軟体動物であり、化石もほとんど存在しないが、DNAという豊富な遺産を残したため「ゲノム化石」の作成が可能になった。(c)AFP