【12月6日 AFP】ロシアは5日、衛星利用測位システム「グロナス(Global Navigation Satellite SystemGLONASS)」の人工衛星グロナスM(Glonass-M)3基の打ち上げに失敗した。ロシア宇宙当局が発表した。

 ロシア通信(RIA)は、ロシア当局高官の話として、衛星が米ハワイのホノルル(Honolulu)沖1500キロの海上に落下したと伝えた。打ち上げ失敗による死傷者はいなかった。

 インタファクス(Interfax)通信によると、ロシア宇宙当局高官は「暫定データによると、カザフスタンのバイコヌール(Baikonur)宇宙基地からモスクワ(Moscow)時間5日午後1時25分(日本時間同日午後7時25分)に打ち上げられたプロトン(Proton)ロケットが予定の進路から外れた」と述べた。「その結果、ブースターロケットは目的の軌道に衛星を乗せることに失敗し、衛星は大気圏に落下した」という。

 グロナスは、米国のGPSGlobal Positioning System、全地球測位システム)や欧州の「ガリレオ(Galileo)」に対抗すべくロシアが準備を進めていたもので、今回の3基で打ち上げが完了する予定だった。

 ロシア国防省は、「現在、非常用の2基を含む26基のグロナス衛星が軌道上にあり、ロシア連邦の全土をカバーしている」と指摘するとともに、ロシアの宇宙産業は今回の打ち上げ失敗に対応できる能力があるとして、来年にはグロナスが全面稼働できるとの見通しを示した。(c)AFP/Luc Perrot