【10月2日 AFP】ノーベル賞(Nobel Prize)のパロディー版、「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prizes)」の授賞式が9月30日、米マサチューセッツ(Massachusetts)州のハーバード大学(Harvard University)サンダーズシアター(Sanders Theatre)で開かれ、10グループが受賞した。各賞の受賞者は以下のとおり。

・工学賞:遠隔操作型のヘリコプターでクジラの「鼻水」を収集する「自由範囲を行動するクジラの疫病監視のための新型非侵襲性ツールおよびクジラ保護プログラムにおける妥当性」という「それっぽい」名前のシステムの開発と研究を行った英国とメキシコの研究チーム。

・医学賞:ぜんそくの症状の改善にジェットコースターに乗ることが有効であることを発見したオランダの科学者2人。

・交通計画賞:単細胞生物の粘菌を利用して最適な鉄道網を設計することを考案した日本の研究チーム。

・物理学賞:凍結した道路を歩く際に、靴下を「靴の上」に履くと滑りにくいことを発見したニュージーランドのオタゴ大学(University of Otago)の研究チーム。

・平和賞:汗をかくことで痛みが和らぐことを証明した英キール大学(Keele University)の研究者3人のチーム。

・公衆衛生賞:科学者のあごひげに微生物がいることを実証した米メリーランド(Maryland)州の労働安全衛生機関の研究者ら。

・経済学賞:「世界経済の金融利益を最大化させ、金融リスクを最小化させる新たな投資方法を開発した」功績で米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International GroupAIG)、米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)ら米金融危機の主要企業の経営陣が受賞。

・化学賞:水と油は混じらないという通説が誤りであることを実証したとして、ことし米メキシコ湾(Gulf of Mexico)で大規模な原油流出事故を起こした英大手石油会社BPが受賞。

・経営学賞:従業員をランダムに昇進させれば企業がより効率的に機能することを数学的に証明したイタリアのカターニア大(University of Catania)の研究者ら。

・生物学賞:オオコウモリがオーラルセックスを行っていることを明らかにした中国と英国の研究チーム。

■「笑わせて、それから考えさせる」アイデア

 イグ・ノーベル賞は、まじめな研究に与えられる世界的に有名なノーベル賞のパロディーとしてハーバード大学が実施する賞で、主催者は「人々を笑わせて、それから人々を考えさせるような」企画だとしている。

 2004年ノーベル物理学賞受賞者のフランク・ウィルチェック(Frank Wilczek)氏ら、本家のノーベル賞受賞者が授賞式で賞を手渡した。授賞式のもようはユーチューブ(YouTube)で放送された。(c)AFP