【8月25日 AFP】欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)は24日、みずへび座(Hydrus)にあるHD 10180という恒星の周囲を少なくとも5つの惑星が公転していることを確認したと発表した。

 HD 10180は地球から127光年離れている。天文学者たちは6年前からチリのラ・シーヤ天文台(La Silla Observatory)にある世界で最も高性能のスペクトル分析装置による観測を続けてきた。

 系外惑星から届く光の重力による「揺らぎ」を観測し、このわずかな「揺らぎ」から各惑星の質量を求めることに成功した。

 5つの惑星はかなり大きく、いずれも海王星(Neptune)ほどの大きさだったが、HD 10180までの距離は、太陽系のガス惑星(木星と土星)と太陽までの距離より短く、公転周期は6日から600日の間であることが分かった。

 存在が確認された5惑星に加え、さらに2つの惑星が存在する可能性を示すデータも得られたという。1つは土星(Saturn)ほどの大きさで、公転周期は2200日。もう1つは地球の1.4倍の質量を持つ惑星で、恒星HD 10180にかなり近い軌道を、わずか1.18日で公転しているとみられる。この天体が惑星ならば、これまでに知られている系外惑星のなかで最も小さいものになるという。

 この2つの惑星の存在が確認されれば、HD 10180を中心とする惑星系には7つの惑星が存在することになり、8つの惑星を持つ太陽系と非常によく似た惑星系である可能性が高まる。

 欧州南天天文台の天文学者、クリストフ・ロヴィ(Christophe Lovis)氏は、「今や太陽系外探査は、個々の惑星観測から総合的な惑星系の観測へと、新たな時代に入った」と、今回の発見の意義を評した。(c)AFP