【4月16日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は15日、フロリダ(Florida)州にある米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)で演説し、今後30年以内に米国人宇宙飛行士を火星軌道に送ることなどを掲げる新たな宇宙政策を打ち出した。

 向こう5年間でNASAの有人宇宙計画に60億ドル(約5600億円)の予算を追加投入するほか、2025年までに月より遠い宇宙空間へ有人飛行ができる宇宙船を開発し、30年半ばには火星の軌道に飛行士を派遣、火星着陸も目指すといった目標を掲げている。深宇宙への有人飛行を目指す宇宙船は15年までに設計を完了し、その研究開発にも約30億ドル(約2300億円)を投入する。

 オバマ政権は先に次世代宇宙船「オリオン(Orion)」の開発を進める「コンステレーション計画(Constellation Project)」を中止する方針を示していたが、NASA周辺からは有人宇宙探査での米国の優位性喪失に対する懸念や、関連企業の雇用不安から反発の声があがっていた。この日の演説でオバマ大統領はコンステレーション計画を部分的に留保することを約束し、チャールズ・ボールデン(Charles Bolden)NASA長官にオリオンの技術を応用した救援船の開発にただちに着手するよう命じたと述べた。(c)AFP/Jewel Samad

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