【2月24日 AFP】小型の飼い犬の起源は1万2000年以上前の中東にあり、同地に生息するハイイロオオカミの子孫である可能性があるとする研究結果が24日、生物学の専門誌BMCバイオロジー(BMC Biology)電子版に掲載された。

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California at Los AngelesUCLA)の研究チームは、小型犬を特徴付ける遺伝子「IGF1」の変異を追跡した。その結果、小型犬に見られるIGF1の変形は中東に生息するオオカミのものと非常に近く、このオオカミの先祖のものと一致することが判明した。

 研究は、中東で1万2000年前の小型犬の化石を発掘した考古学チームと協働して行われた。欧州ではこれよりも古い3万1000年前の犬の化石が発掘されているが、大型犬のものであることがわかっている。

 犬の選択は、古代、現在のイラクにあった「肥沃な三日月地帯」や農業が行われていた地域の住民たちにより行われた可能性がある。研究者は、「人口密度が高く、犬が屋外の狭いスペースまたは屋内でも飼われていた農業社会では、大型犬より小型犬の方が好まれたのではないか」と推測している。(c)AFP