【1月26日 AFP】米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)創業者で現在は慈善活動を行っているビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は25日、共同会長を務める慈善財団ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)の年次書簡を発表し、イノベーション(技術革新)の重要性を強調した。

 書簡の中でゲイツ氏は、「10年後の世界はどのようになっているだろうか。もし医療や教育、エネルギー、食糧などの分野でイノベーションが起こらなければ、その未来は非常に暗いものだろう」と述べた。

 また、「われわれは、教育、食糧、医療などの分野や貧困者向け金融サービスなどにおけるイノベーションを支援している」と説明。「経済状況は厳しいが、わたしは数年後には成果が達成されると非常に楽観的にみている」と強調した。

 さらにゲイツ氏は、石炭燃料よりも低コストで温室効果ガスを発生しない新たな発電方法を開発すべきだと主張。「この分野には巨大なマーケットが存在する。政府は基礎研究開発に多額の資金を投じるべきだ」と指摘した。

 今後の経済の見通しについては、「深刻な経済危機は終わったが、経済は依然として低迷しており、世界は経済回復に何年も要するだろう」と述べた。

 ゲーツ財団は、ワクチン研究、干ばつに耐性をもつトウモロコシ開発、発展途上国に向けた低料金のモバイル金融サービス、教師の能力向上プログラム開発などに、数十億ドル規模の融資を行っている。(c)AFP