【12月18日 AFP】米科学誌「サイエンス(Science)」が選ぶ2009年の「最も重要な科学的業績」の1位には、440万年前とこれまで知られている中では最も古い人類の祖先にあたる、ラミダス猿人の化石の発見が選ばれた。上位10位には、米航空宇宙局(NASA)の探査機による月面の水の発見などが挙げられている。

 92年にエチオピアで発見されたこの化石は、94年にアルディピテクス属のラミダス猿人と断定され、「アルディ(Ardi)」と名付けられた。以来15年にわたり、地道な調査が行われてきた。

 これまで人類の最古の祖先とされたきた「ルーシー(Lucy)」よりも120万年も古い「アルディ」は、人類と類人猿の直接的な類似性に関する神話を打ち破ることにもなった。「アルディ」の頭がい骨、歯、骨盤、手足から、アフリカの類人猿は人類との共通の祖先から広範囲に進化したものであるとの推定が導き出されたのだ。
 
「アルディ」の発見は、人類の初期の進化に関する概念を変えただけではなく、人類と類人猿をつなぐ「ミッシングリンク」の概念に疑問を投じるものとなった。(c)AFP/Andrew Beatty