【12月13日 AFP】現在のアジア人の祖先は東南アジアを経由して北東アジアに移住した可能性が高いことが、アジア全域を対象に実施した各民族集団の遺伝情報の解析から分かったという研究報告が、米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。
 
 研究は、国際ヒトゲノム計画に携わる研究者で構成される国際組織「ヒトゲノム国際機構(Human Genome Organization)」の支援により、アジア10か国と米国の40の研究機関の研究者による国際共同研究チームが4年かけて行ったもの。

 この研究により、南から北に行くにつれてアジア人のゲノムの多様性が高まる傾向が判明した。インドに定住していたとみられるアジア人の共通の祖先が、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどの東南アジアに移住し、そこから北上して北東アジアへ広がったと見られることが明らかになったという。

 また、従来の学説ではアジア人の祖先の主要な移住ルートは中央アジアからのものなど2つあるとされていたが、今回の研究結果から移住ルートは東南アジアからの1つのみであることが確認されたとしている。(c)AFP