【12月1日 AFP】カンガルーを皮膚がんの予防に役立たせることができるかもしれないと、オーストラリア・メルボルン大学(Melbourne University)の研究者らが30日発表した。

 2人の研究者は、オーストリア・インスブルック大学(University of Innsbruck)の専門家らと共同で、カンガルーが持つDNA修復酵素が、ヒトの皮膚がんの多くに関連したDNA損傷の予防法となり得るかを調査している。

 この酵素が紫外線で損傷したヒトのDNAを修復できるかを調査する上で、質量分析計を用いて酵素がDNAに及ぼす影響をシミュレーションしたところ、DNA修復の過程で副産物として多くの化学物質が生成されることがわかった。

 現在、これらの化学物質を精査中で、カンガルーのDNA修復酵素を安全かつ効果的な皮膚がん予防法として確立する可能性を模索していくという。

 カンガルーには皮膚がんの免疫があるわけではないが、ヒトにはないDNA修復酵素が皮膚を保護する役割を果たしている。このDNA修復酵素は、バクテリアの一部や魚にも含まれている。(c)AFP