【8月2日 AFP】英米の国際研究チームが29日発行の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に、土星の自転周期は10時間34分13秒で、これまで考えられていたより5分以上短いとの研究結果を発表した。

 ガス惑星である土星は地球のような岩石惑星と違って固体の表面がなく、目印になるものがないため自転周期の測定は難しい。

 その結果、自転周期は従来、土星の磁場に基づいて算出されてきた。しかし磁場は変動することがあるうえ、土星の核がどのくらいの速さで回転しているかを正確に測定することはできなかった。

 英オックスフォード大学(Oxford University)と米ルイビル大学(University of Louisville)の科学者らによる国際研究チームは、米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニ(Cassini)が撮影した赤外線画像を利用して自転周期を計測した。

 研究チームは、土星表面の目に見える情報と土星の核に関するカッシーニの赤外線画像を合わせ、土星の気流の3次元地図を製作した。この地図を使って土星が大気中に作り出す波や渦の規模を測定し、そこから自転周期を割り出した。

 土星の1日が従来の測定より5分短いという事実は、想像以上に重大なことだと研究チームは指摘する。

 例えば、これまでに予測した風速が時速250キロ以上も間違っていた可能性がある。また、土星の気候パターンは木星により近く、これまで考えられていたより両惑星の共通点は多いかもしれないという。(c)AFP