【7月22日 AFP】(一部更新)数千年もの間、畏敬(いけい)の念を持って見られてきたが皆既日食だが、科学者たちにとっては、その金色と藍色の光のショーの裏側にある数学がより魅力的なようだ。

 地球、月、太陽がちょうど一直線に並ぶ瞬間に観測される皆既日食は、いつも迷信によって恐れられてきた。あらゆる生命の源である太陽が日中に消えるという事象は、戦争、飢餓、洪水、統治者の生死に結びつけられた。

 説明に窮した古代中国人は「太陽を食べるドラゴン」の仕業だと考えた。バイキングは巨大な2匹のオオカミが太陽の周りで負いかけっこしていると信じた。一方、南米のインディアンの間では、皆既日食は「神の目」として恐れられた。

 しかし、この事象は、天文学によってすべてを説明できる。

 月が地球と太陽の間に位置すると、「本影部」とよばれる円すい形の影ができ、時とともに西から東へ移動する。

 太陽は月の400倍の幅があるが、地球からは月よりも400倍遠くに位置するため、地球表面に投影される本影部はちょうど太陽を隠すサイズとなる。

 暗い月の影の周囲に「コロナ」と呼ばれる高温の太陽の大気が見えるようになると、空は不気味な濃い青色になり、鳥たちは方向感覚を失い、コウモリは夜と間違いねぐらから出てくるという。(c)AFP/Richard Ingham


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