【7月18日 AFP】ダックスフントやコーギーなどの短足種の犬の脚がずんぐりと短くなったのは、犬が現在のような種類に進化する以前に、ある1つの遺伝子が変異したことが原因だった――16日の米科学誌「サイエンス(Science)」に、このような研究結果が掲載された。

 英国人と米国人からなる研究チームは、短足犬種95匹を含む835匹の犬を対象に遺伝子の分析を行った。その結果、短足犬種すべてが、タンパク質を作る遺伝子の余分なコピーを持っていることが判明した。

 この遺伝子の影響で成長を促すタンパク質が過剰生産され、進化の過程の不適切な時期に主要な成長受容体が刺激されたと、研究チームは考えている。

 チワワやシーズーのような小型のペット犬種と比べ短足犬種の脚は極端に短いことから、こうした遺伝子の変異は、現代の犬の祖先が進化の過程でオオカミから分岐した後に起きたと見られている。

「今回の研究により、この遺伝子が進化の過程で、これまで考えられていたよりも重要な役割を果たす可能性があり、特に種の多様性をもたらす要因になるということが分かった」と、同研究の筆頭執筆者である国立ヒトゲノム研究所(National Human Genome Research Institute)のハイディ・パーカー(Heidi Parker)氏は述べている。(c)AFP