【5月29日 AFP】約2億6000万年前、現在の中国で発生した巨大火山の大噴火が、地球上の海洋生物を突然全滅させたとする英リーズ大学(University of Leeds)の研究結果が、29日発行の米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。

 研究チームが、多種の生命体が一時期に大量死したことを示す化石岩層の年代を測定したところ、約2億6000万年前のものであることが分かった。研究を率いた古生物学者で同大教授のポール・ウィグノール(Paul Wignall)氏は、「化石岩から明らかになった海洋生物の突然の死滅は、この時期に起こった火山の大噴火が、地球規模での環境の激変に密接に関係していたことを示している」と結論付けた。

 現在の中国南西部に位置していた巨大火山の爆発では、約50万立方キロもの溶岩が噴出し、英ウェールズ(Wales)地方の5倍に相当する面積を覆いつくした。 

 噴火の初期段階で、流れの速い溶岩流が海の浅瀬に流れだした所で大規模な爆発が起こり、大量の二酸化硫黄が成層圏に排出され、これが海洋生物の死滅を招いたと考えられている。(c)AFP