【1月9日 AFP】宇宙に多数存在する銀河でその中心に見られるブラックホールは、銀河よりも先に誕生したと考えられるとの研究結果が、米カリフォルニア(California)州ロングビーチ(Long Beach)で7日開催された米天文学会(American Astronomical SocietyAAS)の会合で発表された。

 銀河とブラックホールのどちらが先に誕生したのか?――「ニワトリが先か卵が先か」と同じようなこの議論は、天文学者の間で長年の間、謎とされていた。

 米国立電波天文台(National Radio Astronomy ObservatoryNRAO)のクリス・キャリリ(Chris Carilli)氏は、会合で国際天文学チームが実施した研究の概要を示し、「ブラックホールが先のようだ。証拠は集まりつつある」と話した。

 研究では、全米科学財団(National Science FoundationNFS)の超大型干渉電波望遠鏡群(Very Large ArrayVLA)と、欧州のミリ波天文学研究所 (IRAM)の仏Plateau de Bureにある干渉計を使用し、ビッグバンから数十億年程度の発達初期段階の銀河をいくつか観測した。

 これらの銀河のブラックホールと中心部のふくらみ(バルジ)の質量を調べた結果、初期の銀河では、通常の銀河のような一定の質量の割合が維持されていないことが分かった。発達初期段階の銀河では、ブラックホールの質量が中心部のバルジの質量よりもはるかに大きく、このことからブラックホールが先に成長したことが推測されるという。(c)AFP