【1月5日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の無人探査車「オポチュニティー(Opportunity)」と「スピリット(Spirit)」が2004年1月に火星に到達してから、今月で5周年。当初、耐久期間は90日程度と想定されていた2台の探査車は、山やクレーターだらけの地形や砂嵐などの過酷な環境を耐え抜き、火星に関する膨大な量の情報をいまだに地球に発信し続けている。
 
 NASAの科学ミッション担当副長官エド・ウィーラー(Ed Weiler)氏は声明で、「米市民は双子の探査車について、3か月しかもたないと説明されていた。その20倍もの長期間、働き続けている」と称賛した。

 これまでに「オポチュニティー」と「スピリット」が地球に送信した画像は25万枚、データ量は36ギガバイトにのぼり、火星に生命の可能性を示唆する湿潤期があったことなどを含め、NASAの火星地質調査に多大に貢献した。

「毎日、火星の過酷な環境にさらされていることを考慮すれば、2台の探査車の耐久力は驚異的だ」。同ミッションのプロジェクト・マネジャー、ジョン・カラス(John Callas)氏は、「2台とも、いつ壊れてもおかしくない状態で、突然のミッション終了もありうるが、今後さらに4つ程度のミッションに耐えうる可能性もある」と期待を示した。

 火星探査については、NASAが23億ドル(約2100億円)を投入したマーズ・サイエンス・ラボラトリ(Mars Science LaboratoryMSL)の打ち上げが2年2か月も延期され、2011年を予定していることから、研究者らにとっては「オポチュニティー」と「スピリット」の予想を超えた活躍はうれしい誤算となっている。(c)AFP