【12月4日 AFP】10代のトラブルメーカーたちを「不快な音波」で撃退する機械を開発した英メーカー「コンパウンド・セキュリティー・システムズ(Compound Security Systems)」は2日、あらゆる世代に適用可能な新バージョンを開発したと発表した。

 2005年に開発された若者撃退機「モスキート(蚊)」は、20歳以下の人には聞き取ることができ、30歳以上の人のほとんどには聞こえない不快な高周波音(17キロヘルツ)を発する。これまでに世界中で約9000台が売れたという。

 その後、年齢を問わずすべての迷惑行為者を撃退できる装置を、との要望が国内外の警察から多数寄せられたことから、同社は新バーション「Mark 4」を開発した。大人も含めてすべての人が不快に感じる8キロヘルツの音波を発するという。

 この新バージョンは11月に1台495ポンド(約7万円)で発売され、米国やオランダなどへ出荷された。

 だが、すべての自治体がこの機械を歓迎しているわけではない。欧州議会(European Parliament)内にはこの機械の販売を禁止しようという動きもある。ある人権団体は「機械が犯罪を食い止められるわけではなく、迷惑行為者以外の人々にも危害が及ぶ恐れがある」として、関係当局による早急な調査と規制が必要だとしている。

 一方、同社は現在の金融危機が追い風になると見ている。ある幹部は次のように語った。「人間は、手持ちの金が減ってくると外をぶらついて問題を起こしがちになる。経済が悪くなると、たいていセキュリティ業界は潤うものだ」(c)AFP/Robin Millard