【10月28日 AFP】フランスの心臓移植の世界的権威アラン・カルパンティエ(Alain Carpentier)教授は27日、世界中で心臓移植ドナーが不足している事態に対応するため研究中の移植用完全人工心臓について、2011年までに臨床試験が実現できそうだとの見通しを示した。

 完全人工心臓の欧州研究チームを率いるカルパンティエ教授は、人工心臓が「2年半以内に」製造され人体に使用できるだろうと述べた。

 航空防衛機器大手の欧州防衛宇宙会社(EADS)や仏国家機関、ベンチャー投資会社Truffle、カルパンティエ教授などが出資して立ち上げたバイオメディカル企業Carmatがパリ(Paris)近郊でこの人工心臓を生産する。

 カルパンティエ教授はEADSの技術者チームと共同で試作品を開発した。形は本物の心臓に近く、等間隔で拍動するこの試作品には、カルパンティエ教授が開発し世界中で利用されている人工心臓弁と同じ技術が使われている。

 また、化学処理された動物の組織を用いた「生体材料」は、既存の人工心臓に頻発する、患者の免疫システムによる拒絶反応や血液凝固が起こらないよう設計されていると教授は語る。(c)AFP