【9月8日 AFP】粒子物理学者は、おたくで、きまじめで、いつも考え事をしていて、ソックスのようなネクタイを付けているイメージがあるが、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿されたあるラップ・ソングが、そのイメージを変えようとしている。

 83万6000回を超えるアクセスを記録している「ラージ・ハドロン・ラップ(Large Hadron Rap)」のビデオには、数億ドルの粒子加速器をバックに、白衣・ヘルメット姿の科学者たちが登場。ビートに合わせて、プロトンとクルトンの違いがわからない人々のためにわかりやすく解説する。

「反物質は、双子の悪い方なのさ」「でもこいつを棚に入れてはおけない。双子の良い方に出会ったら、2人ともエネルギーに変わって消えちまうからさ」・・・

 このラップ・ソングを発案したのは、米ミシガン州立大学(Michigan State University)の大学院生で欧州合同素粒子原子核研究機構(セルン、European Organisation for Nuclear ResearchCERN)のプロジェクトにも参加しているケイト・マカルパイン(Kate McAlpine)さん。

 CERNは10日に巨大粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を稼働させる。専門家らは、この実験で「神の素粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子の存在が確認されることを期待している。

 マカルパインさんはAFPに対し、「同僚たちから、物理を正しく、平易に、そしておもしろく説明していると絶賛された」と話した。ただし、一部からは控え目な批判もあったという。「ヒッグス粒子がもう発見されるなんて、という驚きは盛り込んだけれど、科学への不満を言ってはいません」(c)AFP

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