【8月23日 AFP】米ニューヨーク(New York)の食料品店やすしレストランで販売されている魚の4分の1で、魚種名が正しく表示されていないことが、女子高生2人が立ち上げた研究で明らかとなった。

 ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が22日報じたところによると、安価な魚が高級魚として表示されていたり、絶滅の危機に瀕(ひん)している種が環境に優しい魚として売られたりしているという。この問題を明るみに出したのは、研究熱心な若者と、DNAバーコードと呼ばれる最新技術だ。

 2人の女子高生、ケイト・ストークル(Kate Stoeckle)さん(19)とルイザ・ストロース(Louisa Strauss)さん(18)は、マンハッタン(Manhattan)のレストラン4軒と食料品店10軒から魚介類のサンプル60点を採取し、アルコールで保存して、遺伝子分析のためカナダ・オンタリオ(Ontario)州のゲルフ大学(University of Guelph)に送った。

 ストークルさんの父親は鳥類専門家で、DNAバーコードの提唱者の1人でもある。2003年に開発されたDNAバーコードは、全体的な遺伝子情報ではなく1本の染色体を使用して種を特定する手法だ。

 ある晩、すしレストランで夕食をとっていた際に、ストークルさんは父親にDNAバーコードの手法がすしにも応用できるかどうかを尋ね、そこから高校生の研究プロジェクトが誕生した。

 一方カナダでは、ゲルフ大学の大学院生ユージーン・ウォン(Eugene Wong)さんが、ストークルさんらが送ったサンプルのDNAと、国際ライブラリーに登録されている魚類約5500種の3万562のバーコードを照合した。

 その結果、すしレストラン4軒のうち2軒、食料品店10軒のうち6軒で、魚の名前が正しく表示されていなかったことが明らかとなった。

 ウォンさんと、同大学のロバート・ハナー(Robert Hanner)教授(生物学)は、トロント(Toronto)とゲルフでさらに40点のサンプルを収集した。

 ハナー教授は同大学のウェブサイトに掲載した声明で、この問題について「消費者に対する詐欺行為というだけでなく、公衆衛生上の懸念も浮上している」とし、「ある種の魚に対してアレルギーを持っている人もおり、名前が正しく表示しなかったことで危険な結果を招く可能性もある」と指摘した。

 この研究結果は、次週発行のカナダ科学誌「Food Research International」に掲載される。(c)AFP