【8月18日 AFP】(一部修正)イラン政府は17日、初の国産人工衛星「オミド(Omid、希望)」の模擬衛星を国産ロケットで打ち上げることに成功したと発表した。今回の打ち上げによって、同国の核開発計画ですでに生じている欧米諸国との緊張が一層強まるとの見方が強まっている。

 国営イラン通信(IRNA)は、「イランの専門家によって製造された」ロケットが、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の立ち会いの下、打ち上げられたとするイラン国防省の声明を伝えた。さらに声明は「今回2度目の打ち上げとなるサフィル(Safir、大使)ロケットに、国産人工衛星オミドが搭載されていた」としている。

 しかし、イランの宇宙開発関係者は国営テレビに対し「メディアの報道は誤っている。打ち上げられたのは衛星を搭載可能なロケットで、衛星そのものは打ち上げられていない」と指摘した。

 一方、イランの航空宇宙当局長官を務めるレザ・タギプール(Reza Taghipour)氏は「サフィル・ロケットは無事打ち上げに成功した。使用されているシステムはすべてイラン製だ」と述べた上で、「『模擬衛星』が軌道に乗った」とも語った。

 イランが核兵器開発を進めているとみる欧米諸国は、イランの宇宙開発技術が軍事目的に転用される可能性があると懸念を表明している。イラン側はこうした主張を否定している。(c)AFP/Siavosh Ghazi