【7月29日 AFP】英実業家リチャード・ブランソン(Richard Branson)氏は28日、同氏経営の宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)」が企画する宇宙旅行用の有人宇宙船「スペースシップ・ツー(SpaceShipTwo)」の「母船」となる双胴型飛行機「ホワイトナイト・ツー(WhiteKnightTwo)」を公開した。

 米ロサンゼルス(Los Angeles)北方のモハベ砂漠(Mojave Desert)で早朝、報道陣および招待客向けに行われた公開式典には、米スペースシャトル「アポロ11号(Apollo 11)」に搭乗し、人類初の月面歩行を行った宇宙飛行士バズ・オルドリン(Buzz Aldrin)氏も出席した。 

 ホワイトナイト・ツーは、ブランソン氏の母親の名前を冠した「イブ(Eve)」との別名も持つ。同社によると、ホワイトナイト・ツーは翼幅43メートルで、世界最大の炭素複合材製の航空機。最大高度は1万5240メートル以上で、毎日最高4回の飛行が可能だという。今年中に初飛行が行われる見通しだ。

 また、ホワイトナイト・ツーに搭載される有人宇宙船スペースシップ・ツーの処女飛行は、2009年に行われる予定。スペースシップ・ツーには乗員2人と乗客6人が乗り、空中でホワイトナイト・ツーから切り離され、上空110キロの大気圏外の宇宙空間に打ち上げられる。ヴァージン・ギャラクティック社は、2010年の商業化を目指している。

 ブランソン氏は式典後に行ったCNNとのインタビューで、初の宇宙旅行には同氏と家族も参加するが、「打ち上げ時には緊張すると思う」と語った。

 ホワイトナイト・ツーの設計・製造を手掛けるのは、航空宇宙エンジニアのバート・ルータン(Burt Rutan)氏が経営する米カリフォルニア(California)州の航空機メーカー、スケールドコンポジット(Scaled Composites)社だが、前年7月、ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行に関連して同社が開発していたロケットが爆発し、3人が死亡している。(c)AFP