【6月28日 AFP】2つの言語や文化の下で成長した人々は、その時話している言語によってそれぞれ異なる行動や性格を無意識に選んでいることが多いという研究結果が、26日発行の米学術誌「Journal of Consumer Research」の2008年8月号に掲載された。

 研究を行ったウィスコンシン大学ミルウォーキー校(University of Wisconsin-Milwaukee)とニューヨーク市立大学(City University of New York)バルーク校(Baruch College)のチームは、米国と、メキシコあるいはプエルトリコの2か国の文化背景を持つ女性28人を対象に調査。被験者は全員、英語とスペイン語のバイリンガルで、双方の文化への同化度も高い。

 その結果、2つの文化で育った人々は、双方の文化や言語にかかわる別個の「認識枠」を持っており、枠ごとに価値観、行動、世界観、自己認識なども異なることが明らかになった。
 
 研究では、このような人々が言語によって思考方法を切り替える現象を「枠の切り替え」と名付けた。特定の言語が合図となって、バイリンガルの文化ごとの認識または思考の枠が起動する。枠には個性などの人格的側面も含まれる。

 今回の研究は、「消費者調査」などの分野で利用できる可能性があり、2つの文化背景を持つ人々の2面的な文化的枠組みを考慮に入れた広告を作成する場合などに利用できるという。(c)AFP