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「オデュッセイア」の日食の描写は歴史的事実の可能性、研究報告

  • 2008年06月27日 10:42 発信地:ワシントンD.C./米国
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ギリシャ南東部カステロリゾ島(Kastelorizo island)で観測された皆既日食(2006年3月29日撮影)。(c)AFP/Aris Messnis

【6月27日 AFP】ホメロス(Homer)の古代ギリシャ叙事詩「オデュッセイア(The Odyssey)」に登場する皆既日食の描写は実際に起きたものであり、その情報からトロイア陥落の正確な日にちを割り出せる可能性が出てきたとの研究結果が、23日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 この研究を発表したのは、米ロックフェラー大学(Rockefeller University)のマルセロ・マグナスコ(Marcelo Magnasco)教授と、アルゼンチンのラプラタ天文台(Observatorio Astronomico de La Plata)のコンスタンチノ・バイコウジス(Constantino Baikouzis)氏。

「オデュッセイア」に描かれている日食とみられる描写が実際に起きたものであるかどうかについては、多数の歴史家や古典学者が数世紀にわたり議論を戦わせていたが、実際の日食とは関連していないとの結論に至っていた。

 ところが、マグナスコ教授とバイコウジス氏が、「オデュッセイア」の中のこれまで取り上げられていなかった天文学的な記述を調べた結果、トロイア戦争に出征していたギリシャの英雄オデュッセウス(Odysseus)の帰国した日に皆既日食が起きたことが裏付けられたという。

 その天文学的な記述とは、(1)オデュッセウスが帰国した日には皆既日食が起きる必須条件である新月が出ていた、(2)トロイアでの虐殺の6日前、金星が空高く明るく輝いていた、(3)その29日前、プレイアデス星団と牛飼座がともに夕暮れ時に見えなかった、(4)33日前、夜明けに水星が西方の高い位置にあった、という4点だ。

 こうした天文現象が4つそろって存在している状態は珍しく、両氏がトロイア陥落の100年以内の期間を調べた結果、この4つの条件があてはまるのは紀元前1178年4月16日だけであることがわかった。

 マグナスコ教授は、「オデュッセウスが妻に言い寄る男たちを殺害したのが、皆既日食が起きた日だと仮定すれば、『オッデュッセイア』のほかの出来事も、すべて記述通りの時期に起きたことになる」と語っている。

 ホメロスの作品「イリアス」と「オデュッセイア」の中で描写されている出来事の起きた時期から計算して、トロイア陥落の日を特定できる可能性もあるという。ただし、今回の発見は推測によるところが大きく結論も仮定的だという点を、マグナスコ教授は強調している。(c)AFP

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