【3月20日 AFP】生物は進化するたびに複雑になっていく。このような研究結果が17日、英国・カナダの研究チームによって発表された。

 英バース大学(University of Bath)生物学・生化学部(Department of Biology & Biochemistry)のマシュー・ウィリス(Matthew Wills)博士率いる研究チームは、現代から約5億5000年前までの化石標本を用い、甲殻類の進化の過程を調査した。

 その結果、生物の構造や特徴は徐々に複雑化していることが分かった。

「最も単純な生命体にとって、進化の方向は1つしかない。複雑になるしかないのだ」とウィリス博士は指摘する。「しかし、遅かれ早かれ複雑になりすぎ、再び単純化の方向に向かうレベルに到達する可能性がある。驚くべきは、これまでほとんどどの甲殻類も逆方向に戻らず、一様に複雑化しているということだ」

 共著者でカナダ・ウォータールー大学(University of Waterloo)のSarah Adamowicz氏は「これは、広く知られている進化のルールと最も近い」とし、「今回の発見は1つの構成単位の繰り返しでできている生物群に対して適用できる。しかし、極めて単純な生物のバクテリアが最も成功した生物の1つだということを忘れてはならない。複雑化の傾向に説得力があるとしても、すべての生物の進化について説明できるわけではないのだ」と指摘している。(c)AFP