【1月16日 AFP】約400万年前に南米の沼沢地に生息していたとされる、史上最大のげっ歯動物の化石が発見された。その体重はなんと1トンにもおよぶという。16日の英国王立協会生物学会報(Proceedings of the Royal Society B)に発表された。

 新たに発見された種はげっ歯動物の中で最大。現存する最大のげっ歯動物カピバラの体重はわずか60キロだ。

 この巨大なげっ歯動物の頭蓋(ずがい)骨は、ウルグアイのラプラタ(River Plate)地域の沿岸部Kiyu Beachで、割れた巨石の中から発見された。頭蓋骨の大きさは53センチにも達し、数センチの大きな門歯も認められたという。

 このような恐ろしい外見にもかかわらず、この動物は肉食ではなく、ネズミよりむしろカバに似ていたという。小さな臼歯は、食べ物をかみ砕く筋肉は極めて弱く、おそらく軟らかい植物、果物のほか、ドロドロした水生植物を食べていたことを示唆していると専門家たちは指摘する。その体の大きさからして、食物摂取量は膨大だったとみられる。

 この新たに発見されたげっ歯動物は、南米のげっ歯動物を専門とするウルグアイの古生物学者Alvaro Monesに敬意を表して、「Josephoartigasia monesi」と名付けられた。

 Josephoartigasia monesiの大きさの推計方法は数種類あり、重さは468キロから2.5トンと推計されるが、現在も生息する近い種と比較して導き出された平均1.008トンというのが最も信頼できる重さだという。

 これまで史上最大とされていたげっ歯類は、2003年にベネズエラで発見された推定700キロのフォベロミス・パッテルソニ (Phoberomys pattersoni) だった。(c)AFP