【12月27日 AFP】韓国の研究チームは27日、ヒトへの臓器移植に適したクローンブタを、従来の体細胞ではなく幹細胞を使ってより効率的に作成する方法を開発したと発表した。この技術を使い、クローンミニブタ4頭が3日に誕生したという。

 国立動物科学研究所(National Institute of Animal Science)のSeong Hwan-Hoo研究員らは、体細胞を使ったこれまでの方法とは異なり、ブタの骨髄から取り出した幹細胞を使ってクローン胚を作る方法を開発、成功率を大幅に向上させた。体細胞を使ったクローン胚の生存率はわずか1-5%程度だが、幹細胞を使えば20%まで引き上げることが可能だという。

 ブタの臓器はヒトへの移植に適するとされ、研究チームでは、臓器の大きさが人間と同程度のミニブタ(成獣時の体重60-80キロ)のクローン作成を目指していた。

 3日に誕生した幹細胞クローンミニブタ4頭のうち、1頭はDNA分析のため処分され、もう1頭は給餌の際に圧死。残る2頭が元気に育っているという。

 研究チームによると、幹細胞を使ってこのようなブタのクローンが作られたのは初めて。「この技術は、人間に移植しても拒絶反応を起こしにくいよう遺伝子操作したミニブタの作成に役立つだろう」とSeong氏は解説している。

 韓国のバイオ工学研究は、黄禹錫(ファン・ウソク、Hwang Woo-Suk)元ソウル大学(Seoul National University)教授のクローン研究の結果が捏造だった事件の影響で立ち遅れを被っていた。(c)AFP