【11月12日 AFP】途上国の貧しい子どもたちへのパソコン提供を世界規模で目指す米非営利団体の努力が実り、このほど中国の常熟(Changshu)にある工場で、子ども向け低価格ノートパソコン「XO」の大量生産が始まった。

 この米非営利団体は、One Laptop Per ChildOLPC、「子どもたち一人ひとりに1台のノートパソコンを」の意)と呼ばれるもの。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のニコラス・ネグロポンテ(Nicholas Negroponte)教授が2005年に立ち上げた。

 OLPCのプロジェクトのもと開発されたXOは、過酷な環境でも使用できる頑丈なノートパソコンで、消費電力は従来の標準的ノートパソコンの10分の1以下。無料で使用できるオープンソースのOS上で動作する。充電方式はソーラー充電または手回し充電のどちらかを選べる。ビデオとカメラも搭載し、ワイヤレスでインターネットへの接続も可能だ。

 同プロジェクトを資金面や技術面で支援しているのは、グーグル(Google)、インテル(Intel)、イーベイ(eBay)、AMD(Advanced Micro Devices)、ニューズ・コーポレーション(News Corporation)などIT業界やメディアの各社だ。
 
 同プロジェクトを進めるにあたり、対象となる国の政府が賛同の意を示しがらもノートパソコン購入費用を積極的に拠出しないといった問題が起きていたことから、LPCの活動はこれまで多数の困難に直面してきたという。

 今回生産される最初のXOは、ウルグアイの子どもたちに提供される。OLPCの活動にとって、これは大きな一歩となる。XOは年内にも、ウルグアイ、ペルー、メキシコ、エチオピア、ルワンダ、ハイチ、カンボジア、インドの各国で提供される予定。

 さらにOLPCは12日から、「Give One Get OneG1G1、「1台寄付して1台入手」の意)」キャンペーンをにスタートさせる。これは、1人の子どもにノートパソコンを寄付すれば寄付した本人も1台を無料で入手できるというシステムで、先進国からの注文増加が見込まれている。(c)AFP/Glenn Chapman