【11月7日 AFP】渡り鳥のミヤマシトドが越冬地までの経路を見つけ出せるかを調べるため、越冬地に向かって飛行中のミヤマシトドを捕獲し、3000キロも離れた地点に運んで放す調査研究が、5日発行の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
調査を行ったのは、米プリンストン大学(Princeton University)のカスパー・トールップ(Kasper Thorup)氏率いる研究チーム。チームは、アラスカの繁殖地から米南西部やメキシコの越冬地に移動する途中の30羽のミヤマシトドを捕獲した。ミヤマシトドは西海岸のワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)から約3700キロ離れた東海岸のニュージャージー(New Jersey)州まで、商用ジェット機の無風のペット用区画室に入れて運ばれた。
30羽のミヤマシトドは数日後、小さな無線送信機を取り付けられて放たれた。
ミヤマシトドの移動経路を地上や小型航空機から追跡したところ、非常に明快な移動パターンが現れた。15羽の成鳥は越冬地に向かうために南西に飛ばなければならないことを理解していたが、これまで越冬を経験していない15羽の若鳥も、南に向けてただ飛び続けた。
渡り鳥がほかの鳥の案内もなしに、どのように数千キロも離れた越冬地を見つけるのかは、長い間科学者たちを悩ませてきた。
一般的にミヤマシトドが長距離を移動するときに夜間単独で飛ぶこと、若鳥が自ら越冬地を見つけることができることから、ミヤマシトドが生まれながらの方向感覚を持っていることが考えられる。
ミヤマシトドの成鳥が3700キロも離れた地点に運ばれた後でも経路の修正ができたという事実から、研究チームは、ミヤマシトドは数千キロ離れた繁殖地と越冬地の間の飛行地図を作成する可能性もあると結論づけた。
「アラスカから北米大陸南西部への1回の飛行で、ミヤマシトドは通常の飛行経路から外れた地点からでも越冬地に到達するための情報を獲得する」
「実験は、成鳥の飛行地図は少なくとも米本土をカバーしており、大きく飛行経路をはずれても、少なくとも数日で迅速に修正できることを示している。それは渡り鳥が世界地図を持っている可能性も示している」
放たれたミヤマシトドは3日以内で5キロ以上飛行し、半径25キロの観測範囲に平均7日で到達した。鳥たちは放された地点から最長122キロまで追跡された。(c)AFP
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