【10月25日 AFP】国際宇宙ステーション(International Space StationISS)と23日に打ち上げられたスペースシャトルで、宇宙探査史上初めて、両方の指揮を女性が執っている。

 スペースシャトル「ディスカバリー(Discovery)」の船長は、パメラ・メルロイ(Pamela Melroy)元空軍大佐(46)で、スペースシャトル計画26年の歴史の中で、女性として2人目のスペースシャトル船長となる。

 ディスカバリーは、米フロリダ(Florida)州ケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から23日に打ち上げられ、25日にISSとドッキングし、ISS完成に欠かせない最も困難な建設作業を行う。

 メルロイ船長と6人のシャトル乗組員はISSとの結合後、ISSのクルーたちに迎えられる。このISSの指揮を執っているのも女性で、米国人科学者のペギー・ウィットソン(Peggy Whitson)氏(47)だ。

 宇宙探査プロジェクトの指揮官2人が女性であるという事態は画期的だが、米国の宇宙計画全体の現状がここに反映されているわけではない。宇宙関連分野一般では依然として女性は少数派で、男性が優位を占める。

 米航空宇宙局(National Aeronautics and Space AdministrationNASA)には、メルロイ、ウィットソン両氏を含め18人の女性宇宙飛行士がいるが、これに対し男性宇宙飛行士は73人で、女性の占める割合は20%にも満たない。

 女性として初めてスペースシャトル船長を務めたアイリーン・コリンズ(Eileen Collins)氏が2006年5月に退任して以降、NASAで指揮官資格を有する女性はメルロイ氏だけだ。

 米国は過去30年間、女性宇宙飛行士の育成を促進してきたが、実際に米国女性が宇宙空間に到達したのは旧ソ連に遅れること20年、1983年のスペースシャトル「チャレンジャー(Challenger)」にサリー・ライド(Sally Ride)飛行士が搭乗したときが初めてだった。一方、旧ソ連は1963年6月16日に、初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina Tereshkova)氏を宇宙に送った。(c)AFP/Jean-Louis Santini